教師像―文学に見る―

  • 販売価格 2,750円(本体2,500円、税250円)

    教師像―文学に見る―
    (きょうしぞう:ぶんがくにみる)
    著者:綾目広治 著
    出版社:新読書社
    発行日:2015/11/13
    ISBN:978-4-7880-7061-5
    判型:A5判上製
    頁数:280
    小説の中に現れる教師像を通して、教育の問題の重要性とその中の教師の役割がいかに大きなものかが伝わってくる。教師の「政治的中立性」を守るよう国が言い始めた現代において、教師として、自己の信念を堅持することの意味を考えるヒントになる書である。

    【目次】
    第1章 国家の子どもを創る教師たち―明治期1
    1 国家のための教育―福岡孝弟・森有礼・沢柳政太郎
    2 〈師範学校精神〉の教師―小泉又一
    3 実在の教師をモデルにして―派田知道
    4 国家主義と貧民教育―添田知道

    第2章 様々な教師たち―明治期2
    1 代用教員たち1―石川啄木
    2 代用教員たち2―田山花袋・山本有三・徳永直
    3 正教員たち1―国木田独歩・芥川龍之介
    4 正教員たち2―夏目漱石•島崎藤村

    第3章 新しい教育観を持った教師たち―大正期
    1 明治から大正へ―久保田万太郎・新田次郎
    2 子どもの心に眼を向ける教師―有島武郎・下村湖人・山本有三
    3 受験体制下の教師など―藤森成吉・徳永直・久米正雄

    第四章 労働運動・社会運動と教師たち―戦前昭和期1
    1 新興教育運動―山下徳治・池田種生・本庄陸男
    2 目覚める教師たち1―平田小六・三好十郎
    3 目覚める教師たち2―谷口善太郎・本庄陸男・
    4 時代の悪気流に抗う教師―三浦綾子・石坂洋次郎

    第五章 軍国主義下の教師―戦前昭和期2
    1 軍国教師として―三浦綾子
    2 皇国教育イデオロギー―能瀬寛顕•長谷川瑞
    3 戦争下の教師―三浦綾子
    4 反軍国主義を貰く教師―下村湖人

    第六章 〈民主国家〉の教師たち―戦後期
    1 民主主義と教師―阿久悠•石坂洋次郎・若杉慧
    2 教師の戦争責任と主体性の確立―石坂洋次郎
    3 女性教師たちの苦悩と生き甲斐―壺井栄
    4 戦後民主教育の体現者―三好京三

    第七章 困難に立ち向かう教師たち―高度成長期前後から現代へ
    1 教育反動化と非行化の中で―石川達三・平澤誠一・野呂重雄
    2「そばにいる」教師―重松消
    3 イジメに遭う教師・クールな教師・熱血教師―石田衣良・飛鳥井千砂・小松江里子
    4 批判精神を堅持する教師―灰谷健次郎・伊集院静

    第八章 人間としての教師―現代
    1 生け贄を作る教師1―重松消
    2 生け贄を作る教師2―乙一
    3 人間くさい教師たち1―重松消・落合恵子
    4 教師像の再構築―氷室冴子・宮内婦貴子・三好京三

    あとがき
    人名・文献名索引