教師 曽我静雄〜戦時下に女生徒を救った教師の物語〜

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    教師 曽我静雄〜戦時下に女生徒を救った教師の物語〜
    (きょうし そがしずお:せんじかに じょせいとをすくった きょうしのものがたり)
    著者:吉野興一 著
    出版社:新読書社
    発行日:2009/10/20
    ISBN:978-4-7880-9025-5
    判型:四六判上製
    頁数:207p

    温暖な瀬戸内に生まれ、生涯を教職にささげた曽我静雄。彼は数々の困難の中、愛媛から大阪へ学徒動員された女学生たちを帰郷させた…。教師としての生活が始まった頃から、戦後50年目に亡くなるまでを追う。


    【曽我静雄の葬儀で読まれた城北高女の卒業生の弔辞より】
    戦争を遂行するためには、身を鴻毛の軽きと考える軍国主義の時代にあって、わたしたち
    一人一人の命を大切に思ってくださる三十四歳の若い先生の、無謀としか思えない決断と実行力がなかったら、わたしたちはあのまま大阪に残り、終戦前に一トン爆弾の雨であとかたも無く壊滅したという造兵廠と、運命をともにしていたでしょう。

    【目次】
    第一章 揺藍
    ハンサムな青年教師
    唐臼踏み
    講談のひととき
    牛の他話
    いのしし年生まれ

    第二章 憧憬
    頭を下げる教師
    愛媛県師範学校
    有馬純次
    ペスタロッチ
    徳育への情熱
    本を読め

    第三章 飛翔
    入営
    文検合格

    大志を抱いて

    第四章 大阪時代
    市電の乗りかた
    時代の空気
    本田小学校
    結婚

    第五章 出会い
    松山城北高等女学校
    戦争の時代
    教え子たちの記憶
    不謹慎な授業
    大阪造兵廠への動員

    第六章 重責
    一八〇名の引率
    風船爆弾
    宿舎周辺の散策
    女生徒の楽しみ
    国への貢献度
    女生徒を背負う
    空襲への備え
    部屋替え
    第七工場
    大根の漬物
    一時帰郷

    第七章 誘導
    第三次大阪大空襲
    木の下に入るな
    片膝をついた姿勢
    二人を抱きしめる
    走る教師
    六月十五日の空襲

    第八章 帰松
    松山に帰ります
    退廠式
    曽根崎警察署
    無賃乗車
    蒸しパン
    なにひとつお土産はありませんが

    第九章 被爆
    広島への転勤
    二十一期生の犠牲
    被憬1
    穏やかな海と島
    曽我の消息

    第十章 円熟
    届いた手紙
    愛媛県軍政部
    アメリカ人との議論
    鴨川中学校長
    新設の道後中学校へ
    校長の器量
    手帳と鉛筆
    逝く人々

    第十一章 四十年間の緊張感―エピローグにかえて―
    再会
    語らなかった話
    教師として生きて
    ぶれない姿勢

    あとがき
    主要参考文献
    曽我静雄略歴年表
    参考資料・戦前の学校体系概念図