戦後保育はいかに構築されたか 福岡県における昭和20年代の保育所・幼稚園
(せんごほいくはいかにこうちくされたか ふくおかけんにおけるしょうわにじゅうねんだいのほいくしょ・ようちえん)
著者:
清原みさ子(愛知県立大学名誉教授)
豊田和子(名古屋芸術大学教授)
寺部直子(愛知学泉短期大学非常勤講師)
榊原菜々枝(名古屋文化学園保育専門学校教員)
出版社:新読書社
発刊予定日:2019/6/21
ISBN:978-4-7880-2142-6
判型:A5判並製
頁数:292頁
保育所普及の先進県の一つであった福岡県における戦後保育の構築を明らかにする。先に出版された
『戦後保育の実際 〜昭和30年代はじめまでの名古屋市の幼稚園・保育園』に続く、戦後保育史研究の第2弾。写真資料多数。
(はじめに、から)
福岡県は、歴史的に保育所普及の先進県の一つである。常設保育所数を見ると、1933 年、44 年とも全国で4 番目に多かった。1944 年の保育児数は、全国5 位であったが、3 歳未満は839 人で全国合計の8,394 人の1 割を占め、最も多かった。児童福祉法施行後、保育所の認可・設置が急速に進む中で、保育の充実に向けてどのような取り組みが行われていたのか、地方の実態に即してまとめることは、戦後日本の保育がどのように築かれていったのか明らかにしていくことにつながると考える。地方史研究の進展により全国的な幼児教育・保育の歴史研究が充実することに、本研究が寄与できれば幸いである。
目次
はじめに
序章 前史 福岡県における保育施設の誕生と戦前の保育状況
第1節 幼稚園、保育所・託児所の開設状況
第2節 保育の状況
第3節 戦時中の保育
第1節 保姆養成と北九州保育会
第1章 戦後復興と保育
第1節 敗戦後の子どもを取り巻く社会状況
第2節 昭和20年代の保育の概況
第3節 保育所への補助
第4節 保育団体・組織と研究
第5節 保育者養成
第2章 保育所の実際
第1節 沿革・保育理念
第2節 施設・設備
第3節 保育内容・方法
第4節 運営・保育者の状況等
第3章 幼稚園の実際
第1節 園の沿革・保育理念
第2節 施設・設備
第3節 保育内容・方法
第4節 運営・保育者の状況等
第5節 その他
第4章 カリキュラム・指導計画
第1節 保育所の事例から
第2節 幼稚園の事例から
第5章 保育記録にみる保育の実際
第1節 保育所の事例から ― 木屋瀬保育園、御幸保育園
第2節 幼稚園の事例から ― 市立小倉幼稚園
第6章 福岡県の保育の特徴
第1節 共同募金等の支援が果たした役割について
第2節 福岡県の保育団体について
第3節 保育の実態について
おわりに
資料編
著者紹介
清原みさ子(きよはら みさこ)
お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了
現在 愛知県立大学名誉教授
主な業績
『手技の歴史 フレーベルの「恩物」と「作業」の受容とその後の理論的、実践的展開』(新読書社、2014年)
『確かな感性と認識を育てる保育〜自分の目で確かめ、みんなで考える〜』(共著、新読書社、2011年)
豊田和子(とよだ かずこ)
広島大学大学院教育学研究科修士課程修了
現在 名古屋芸術大学人間発達学部教授
主な業績
『実践を創造する保育内容総論』第2版(編著、みらい、2018年)
「幼小接続カリキュラムの視点から野村芳兵衛(1896-1982) を読み解く―「遊び」と「学習」を中心に―」(『名古屋芸術大学研究紀要』第38巻、2017年)
寺部直子(てらべ なおこ)
お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了
現在 愛知学泉短期大学非常勤講師
主な業績
『実践を創造する保育原理』第2版(共著、みらい、2018年)
「昭和初年における愛知県碧海郡安城町の農繁期託児所の研究―その2」(「桜花学園大学保育学部研究紀要」第13号、2015年)
榊原菜々枝(さかきばら ななえ)
桜花学園大学大学院 人間文化研究科人間科学専攻修士課程修了
現在 名古屋文化学園保育専門学校教員
主な業績
『実践を創造する保育内容総論』第2版(共著、みらい、2018年)
『はじめて学ぶ保育原理』北天路書房(共著、2017年)